GC KOALA ORIGINALS 01
週A$2,000前後を
残せるマーケットへ、
夫婦で育てるまで。
初日は約A$50の赤字。商品、価格、屋台、オペレーションをつくり直し、ワーホリの雇用を生み出すまでの記録です。

30 SEC SNAPSHOT
まず、数字で見るOH!NIGIRI。
- A$10,800
- 最初のライセンス・出店枠・機材・マニュアル
- A$537
- 2025年11月29日、初日の売上
- 約 −A$50
- 初日に直接費を引いた結果
- A$20.81
- 直近3市場合計の1会計あたり売上
- A$2,222–2,914
- 直近の3市場週に直接費を引いて残った額
「マーケットで週A$2,000」。数字だけなら、簡単に稼げる話に見えるかもしれません。けれど私たちの初日は赤字でした。受け取った土台を出発点に、夫婦で何度も話し合い、試し、自分たちの商品と運営へ育ててきた結果です。
雇われるより、
雇用をつくりたかった。
Takaがオーストラリアで雇われて働いたのは、ストロベリーファームの3日間だけ。しかも、クビになりました(笑)。
GC KOALAでシェアハウスや求人情報を掲載するなら、自分たちも住まいや仕事を生み出す側でありたい。オーストラリアに長くいるからこそ、次の世代へ機会をつくるのは一つの責任ではないか。そんな思いが、ワーホリ時代から興味のあったマーケットへの挑戦につながりました。
「求人情報を載せるだけではなく、実際に一人でも雇用したかった。」— Taka
A$10,800で受け取った、
最初のバトン。
2025年11月、帰国する友人から、New Farmの出店枠、ライセンス、機材、マニュアルを含む事業をA$10,800で引き継ぎました。マーケットへの最初の一歩を用意し、それまで事業を続けてくれた前オーナーには感謝しています。特に、確約された出店場所から始められたことは、私たちにとって大きな価値でした。
契約に含まれていたもの
- New Farmの出店枠
- 食品営業のライセンス
- 機材一式
- 運営マニュアル
現在へつながったもの
出店の機会と最初の学びフードウォーマーは現役。その他は、私たちの商品と運営に合わせて少しずつ入れ替えました。
今の知識を持って同じ選択をするなら、出店枠の価値と機材の価値を分けてより細かく検討すると思います。それは、前のやり方が間違っていたからではなく、私たちが目指す商品や店の見せ方が違ったから。だからこそ将来バトンを渡すときは、機材、マニュアル、オペレーション、お客さまとの関係まで、次の人が納得して受け取れる状態にしたいと考えています。

初日の売上はA$537。
直接費を引くと、約A$50の赤字。
初出店は2025年11月29日のNew Farm Market。緊張し、オペレーションもまだ未完成でした。「最初から売れた成功談」ではありません。
この赤字が「向いていない証拠」ではなく、改善する場所を教えてくれる最初のデータになりました。
商品は変えた。
でも最初、値段は変えなかった。
前オーナーが販売していたのは、おなじみの普通のおにぎり。私たちはまず、丸く大きな“爆弾おにぎり”へ変えました。これが私たちのVer.1です。その後、海外のお客さまにも中身と食べ方が直感的に伝わるよう、現在のサンドイッチ型のおにぎらずへ。ただし商品を変えた当初も、価格はそれまでと同じA$8〜9のままでした。

BEFORE
A$8–9商品は変えたのに、価格は以前のまま。1会計あたり売上も1桁台。AFTER
A$20.81米のg数、具材原価、セット価格、見せ方を再設計した直近3市場合計。おにぎりを成形し、海苔を巻き、具材をのせ、畳んで渡す。以前より作業は増えましたが、見た目とおいしさは大きく改善。誰が入っても再現できるように、Misakiを中心に工程をマニュアル化しました。約3か月後、この形へ切り替えた頃から反応が劇的に変わりました。
WHAT WE STOPPED
「やること」を増やすより、
やめることを決めた。
- 手間のかかるドリンク茶葉から抽出する提供をやめ、ボトル・缶へ。
- 必要以上のサイドメニュー作業量に対して効果が低いものを整理。
- 作り置き中心の提供楽さより、見た目とおいしさを選択。
「週A$2,000前後」は、
簡単に稼げるという意味ではない。
現在はBrisbane City、New Farm、隔週のHOTAを中心に営業しています。直近の3市場週では、売上から材料費、出店料、有給スタッフ代、Square手数料など、その週の営業に直接かかったお金を引き、A$2,222.15とA$2,914.46が残りました。
2026.08.03–09 3 MARKETS
2026.08.17–23 3 MARKETS
したがって、これは正式な「純利益」ではありません。簡単さを売るための数字でもありません。早朝の搬入、準備、責任、改善を含めても、私たちにとって挑戦する価値があったことを示す一つの実績です。
初心者なら、
軽く・安く・シンプルに始める。
最初から必要
- 実際のマーケットへ足を運ぶ
- 商品と客層の“空白”を探す
- 自分の背景と商品の価値を掛け合わせる
- 運べる車を用意する
最初は買わなくていい
- 高価な業務用機材
- 大量のオリジナル包装
- ブランド確立前のステッカー
- 使うか分からない大型設備
車はほぼ必須です。私たちは機材と屋台装飾が多く、耐久性やリセールも考えてHIACEを選びました。一方で、荷物が少ない商品なら小型SUVで運営する人もいます。「何を売るか」で必要な車は変わります。
4:30
搬入→5:00
設営・現地仕込み→8:00
販売開始→終了後
撤収・片付けBrisbane Cityでは午前4時30分に搬入し、午前8時の販売開始までに現地で仕込みます。一人なら搬入と撤収が特に大変。商品づくりだけでなく、誰が何を担当するかまで考えて初めて回る仕事です。

THE BEST PART
売上より先に思い浮かぶのは、一緒に働いてくれた人たち。
夫婦でぶつかり、
スタッフと一緒に育てた。
名義上のオーナーはTaka。でも飲食事業の中心に立ち、商品とオペレーションをつくってきた実質的なリーダーはMisakiです。好きな色も、好きな雰囲気も違う二人。話し合いも小さな衝突も増えました。それでも、名前からブランド、試作、改善まで一緒につくったことは、かけがえのない思い出です。
そして何より嬉しかったのは、ワーホリのスタッフへ初めて給料を支払えた日。情報を掲載するだけでなく、実際に雇用を一つ生み出せた瞬間でした。今では、オーナーとアルバイトという枠を超えて遊びに来てくれる仲間もいます。
将来オーストラリアに残れるなら、店舗やショッピングセンターのキオスクへ広げ、もっと雇用を増やしたい。一方でビザの事情から事業を譲ることになっても、私たちの思いと、お客さまとの関係を大切にしてくれる人へ引き継ぎたいと考えています。
TO THE NEXT CHALLENGER
失敗を恐れず、
まずマーケットへ行ってみる。
ワーキングホリデーは、人生の通過点です。終わる頃にどうなっていたいのか。その未来から逆算して、今どこで、何を経験するのかを決めてみてください。小さなマーケットは、自分のアイデアを試す現実的な一歩になり得ます。
この記事の数字について
本記事はTaka・Misakiへの取材とOH!NIGIRIの運営記録を基に編集しています。売上や残額は特定期間の実績で、同様の結果を保証するものではありません。市場、商品、原価、人員、許認可などにより結果は異なります。食品営業に必要な許認可・保険・食品安全要件は地域や営業形態で変わるため、必ず各行政・主催者の最新情報を確認してください。
具体的なレシピ、仕入先、詳細な原価表、申請書類一式、完全な運営マニュアルは本記事に掲載していません。
